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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第32章 "宋"
「兎に角、朱雀様が何をやるつもりなんだか…」
結界の中で、瑠衣は当代様と宋永輪と巨龍の成り行きを見詰めている。
「先ずは龍の始末からかの…」
一度宋永輪は捨て置いて、天の龍の方が問題だと優先順位を付けた。
当代様は大木を足掛かりにして、龍に向かって飛ぶ……
朱桜刀の力を全て解放し、龍に向かって一撃を入れる!
『サクッ・・・』
鱗が堅くて、朱桜刀でも深く刺さらない…
巨龍は激しく体を振って当代様を地上へと落とす。
「くそっ…」
見事に着地した所に、巨龍の膨大な水流が当代様を襲う!!
「!!!」
瞬間的に反対側に転移し、水流はただ土をえぐるだけ……
(このままでは不味いか…)
当代様もそう簡単には倒せない、そう判断する。
(使いたくは無いが…
それに、此で倒せなんだらかなり不味い)
巨龍の水流は次々に当代様を襲う、そのたびに転移し避ける。
地面は巨龍の水流で穴だらけ…
人や家ならひとたまりも無い。
巨龍は完全に方陣から出て来て、その巨大な姿で神社のあった一帯は真っ暗になる。
「どれだけ‥でかいんだ…」
「副長それ聞かれても無理やで…」
結界の中で空を見上げるしかない土方達、自分達ではどんな事をしても、倒すのは無理無謀。
永輪は方陣の中で高笑いをしている。
誰も手が出せない微妙な状態………
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