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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"
「明日から稽古復帰します、本当に体が鈍ってますから」
「そんな風には見えませんけどねぇー」
「それ…
かなり失礼ですっ!」
瑠衣はふてくされて横を向いてしまう。
(本当に‥普通の人と同じ反応をするようになりましたね)
感情が分からないと言っていた瑠衣と今は大違い、感情を素直に出して笑い泣く。
「もう…
怒らないで下さいよぉー」
「知りませんっ…
布団に戻るのも嫌ですから、着替えて屯所内散歩して来ます」
瑠衣は立ち上がって部屋に入り、障子を閉めてしまう。
「あー
怒らせましたか…」
こんな反応も前には無かった、やっとやっと普通に接するようになったのに…
別れは近い…
頭では分かっているのに、心は受け入れられない…
瑠衣を失うのが怖い。
総司の中の心の葛藤…
答えなんか出る事なんかある訳無い。
次の日ー六月三日ー
瑠衣は久しぶりに道場で素振りをしている。
「ふんっ‥ふんっ‥ふんっ‥」
『シュン‥シュン‥シュン‥』
(少し体が堅いなあ…
やっぱり秘奥義なんて使って、寝込んだのが祟ってる)
あの時、頭より体が勝手に動いてしまった…
朱雀鳳凰天昇…
自分の分身である鳳凰を呼び出し攻撃させる、朱雀最大の秘奥義。
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