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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第8章 "常"
瑠衣が新撰組に来てから一週間程度が経過した…
あの後、夜の巡察は総司と瑠衣が"鬼"担当で二人でする事になった。
その埋め合わせに、普通の巡察を他の隊が受け持つ、一番隊平隊士は他の隊での巡察へと振り分けられた、勿論有事があれば一番隊として活動するのが大前提だが…
そんな間で瑠衣は、斎藤一・井上源三郎・山崎丞・島田魁達とも出会う事になる(何故か全員炊事場に居たのは謎…)
今日も深夜勤務なので昼近くまで眠って、やっと目が醒める…最近は夜中から朝方まで巡察し廻っているので朝に弱い…
その分、"鬼"退治の効率はかなり上がったが…
「・・・・・昼‥か…」
お日様は既に真上に居る、瑠衣は布団をたたみ押し入れに突っ込み、着替え始めた。
(こんな時沖田先生の早起きは助かる)
同じく眠ても(瑠衣の場合、総司が眠った後に力を渡してるので、もう少し遅いが…)総司は早起きなのである。
(力を渡してるせいか?)
疑問に思うものの、兎に角元気いっぱいなのは確かだ…
ただし此方は力不足気味だが……
顔を洗っていると、今日も道場から威勢の良い掛け声が聴こえる。
(今日は左之だっけ…)
稽古師範が原田だったなと思いつつ、朝餉(といっても完全に昼‥)を貰いに炊事場へ…
「おはよう御座います」
にっこり笑い(やっと癖がついたらしい)炊事場に入る瑠衣…
そこには井上と島田が昼の準備をしながら談笑していた。
「おはよう御座います橘さん、もう少しで昼餉も出来ますし朝のおかずと合わせて暖かいの食べれますよ」
散切り頭で巨大な体格なのに大きな割烹着を身に着けて、お皿に盛り付けをしているのが島田魁、これが監察方で忍だとは普通思うまい…
「本当ですかぁ、今日はついてる」
まともな昼飯に機嫌の良い瑠衣に井上も…
「橘ちゃんは細っこいから、もっと一杯食べんとなぁー」
新撰組最年長で隊長格、多少白髪頭に成りつつある髪を結い平均的な体格なのは、近藤と共に試衛館時代から行動を共にしている井上源三郎。
「源さん…幾らなんでもお腹には限界がありますよー
あっ…沖田先生は無いかも‥」
「ははは…確かに総司の胃の腑は化け物並みだのぅ」
「沖田さん、寝起きにご飯四回もおかわりしてましたね…」
どうやら総司も此処で朝(?)餉を食べたらしい。
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