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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"


炊事場に向かった二人。


「おぅ昼かね…
此処で食べていくのかい??」

井上と‥女中の人が二人厨房に立っている。


「あれ?
源さん島田さん居ませんねぇ…」

何時もならば、この時間に居る筈の島田が居ないのに直ぐ気付く総司、相変わらず感が良い。


「島田ならば歳に呼ばれて行ったぞ、仕事なんじゃろう」

「土方さんに?
あっ源さん、此処で食べていきます」

「あ…
自分もです」

そう言って囲炉裏端に座った。


(島田さんは多分…
山崎さんの補助で枡屋…)


もうそろそろ、山崎さんも何かを掴む頃だろう…

井上が、昼餉を乗せたお膳を持って置いてくれる。


「そういえば最近、監察方が随分動いとるの…
何かあるんじゃろ」

「そうですね、土方さん何か掴んでるみたいですし、確信があるのでは無いんですか?」

「そうじゃのー
それとも、動けん隊士の変わりか分からんがの」

井上が置いてくれた昼餉に手を付けている瑠衣…

今この屯所にいる隊士は総勢で七十人弱、その中の半数近くが流行り風邪で倒れている。


「かなりの人数が倒れていますからね、まだ幹部はそんなに被害が無いのが救いですよ」

上手く話を合わせる瑠衣…
圧倒的に平隊士に流行り病が回っているのは、大部屋で雑魚寝のせい、一人感染すれば次々と感染していく。


「そうじゃの橘ちゃん、幹部で倒れてるのは山南さんくらいかの?」

山南さんの場合、原因は別にありそうだが深くは探る気は無い。


「私も橘さんも元気ですからね、さっ巡察行きますよ」

「あ‥はい、源さん、ごちそうさまでした」

「はいよ、気を付けて行ってくるんじゃぞ」


「「子供じゃ無いです!!」」




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