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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"
「あぁ…
ご覧の通りですよ…
皆も倒れているのに情けない」
「病気に幹部も平隊士も無いです…」
「くすっ…
そうですねー
病気は皆平等ですね」
「はい、あっ‥お借りしていた書物、お返しに来たので戻して置きますね」
瑠衣は立ち上がり、書物の山の中に入って行く。
「すまないね、今日はなにを借りていくのかい??」
その言葉に、瑠衣は一瞬止まった。
「・・・
今日は遠慮しておきます、また後日に…」
「そうですか…」
不思議な感じがして、山南は半身を起こす。
書物の山の中で、切なそうな顔をしている瑠衣が借りた書物を元の場所に戻している。
「・・・・・」
瑠衣は一度瞳を閉じ、心を落ち着けてから目を開く…
其処には何時もの明るい瑠衣が佇んでいる。
「山南さん、起きては駄目ですよ!」
「余り毎日寝ていると腰が痛いんですよ」
「はぁー」
書物の山から出て来て、また山南の布団の側に座る。
「でしたら山南さん、早く病気を治して下さい…」
「そうですね…
所で橘君」
「はい??」
「一度聞こうと思ってたんですよ…
橘君は何処で語学を習ったのですか?」
「自分ですか??
うーん……
何て言ったら良いんですかね、物心付く頃から色々な方から語学から武術、なんでも教えられましたから…
全て習得すれば次の師が来る‥そんな事の繰り返しでした」
「随分大切に育てられたのですね…」
「…大切‥ですか…
必要だったが正解だと思います」
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