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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"
「…平助…
何時もこんな感じ??」
「うん、大体新ぱっちゃんが勝って終わり」
「で、左之が再挑戦‥ですか…」
「そういう事!」
永倉は意外に勝負事には強いらしい…
いや原田が弱いのか…
とりあえず被害には合いたく無いので、さっさと自分の席に移動する瑠衣。
同じく藤堂も逃げて来る。
「狙われたく無いもんね」
「…確かに…………」
原田と永倉はまだ勝負をしている、この分だと今日の原田のおかずは無きに等しいだろうなー
呑気に考えている瑠衣だったりする。
そろそろ平隊士も集まって来る頃…
でも、倒れている者が多く、入って来る平隊士はまばら。
其処に、総司や斎藤など幹部も集まって来た。
最後に近藤達が入って来て、夕餉の時間になる。
永倉は原田から次々おかずを取り、原田のお膳にはご飯と味噌汁と漬け物くらいしか残って無い。
瑠衣は笑いたいのを堪えて、夕餉を食べ進めた。
夜ー
今日一日屯所内を動き回り、人通り皆の顔も見た、後は明日を待つばかり。
既に華因には詳細を伝えているので、其方の心配は無い。
寝間着姿で蚊帳の外に出て、瑠衣は暫く月を眺める。
太陽と月だけは、何時の時代も変わらない。
(いよいよ明日かぁ…)
幕開けは深夜ー多分もう数刻しか無い。
「瑠衣、虫に刺されますよ?」
「あ‥はい……」
総司に大人しく従って部屋に戻る。
「何か気になる事でも?」
「・・・・・・・・」
瑠衣は黙って首を振るだけ。
「・・・
すみません、答えられない‥そうですね?」
「はい‥すみません」
瑠衣は布団に転がり灯りを消した。
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