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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"


四半刻も過ぎた辺りで、武田達が枡屋を連れて戻って来た。

枡屋はそのまま蔵に、武田は土方に報告へと分かれる。


「そうか…
分かった、武田お前達も準備をしておけ」

「承知しました」

武田が土方の部屋を出た後、事の詳細を紙に書き出し、平隊士を捕まえて各隊長に渡すように指示を出す。


「…さて……
鬼の出番か………」

土方は着流しのまま蔵に向かう…
警備の隊士に何人も入れるなと言明して、蔵の扉を閉じた。





平隊士から瑠衣達の部屋にも、土方の詳細の報告書が回って来る。


「枡屋の地下倉庫に、銃・槍・弓・短筒・火薬などが大量に発見、武田の隊の隊士を見張りに残し、自分が枡屋を拷問すると書いてありますね…」

「・・・
そうですね…
耳‥塞いだ方が良いかも知れませんよ総司…」

「瑠衣は知っていたのですね…
当たり前ですか……」

「…すみません……」

その時、枡屋の絶叫が屯所内に響き渡る…。


「・・・
始まりましたね…」

「そうですね…
こういう時の土方さんは容赦ないですから」

総司も瑠衣も、座布団に座り蔵の方角を見ている。


「総司、容赦ないと言いますが、拷問はされる側もする側も、物凄い精神力を使います…
副長の拷問が容赦ない分、副長も辛いんですよ…」

「瑠衣??」

「生かさず、殺さず、相手から情報を引き出す…
吐かなければその残忍さは増し……
こんな暑い日に蔵の中で拷問するのは、体力精神力共にすり減らす事と同じです」

「色々知っているようですね…」

「自分はした事はありませんよ…
ただ知っているだけです」



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