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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"
「さて‥俺の出番か…」
鞭を片手にニヤリと笑い、古高を打ち始める…
平隊士の力‥所の話では無い。
皮膚は裂け肉が見えても、容赦なく同じ場所を狙う。
古高の絶叫は止まない…
蔵から出て来た隊士二人は、井戸の前でへたり込んでいた。
そこを偶々通り掛かった瑠衣。
「大丈夫ですか!?」
「……橘先生??」
虚ろな隊士の一人が此方に気付く。
「確か…
三番隊の方でしたよね、何がありました?」
「……
副長に付き合い拷問を…」
その一言で瑠衣は察しが付く…
井戸から水を汲み上げ、柄杓で二人の隊士に水を飲ませる。
そして、手拭いを軽く絞り首にかけてやる。
「わざわざすみません」
「いえ、では今蔵には副長一人なんですか??」
「はい……」
幾ら何でも土方一人はキツい…
瑠衣は溜め息を吐き、近くを通り掛かった隊士に二人を部屋で休ませるように頼む。
そして、瑠衣は蔵に向かって歩き出した。
「橘先生!!」
「副長は中ですか?」
「はい、しかし誰も入れるなと…」
「………
では、嫌かも知れませんが副長に聞いて来て貰えますか?
鬼がもう一匹必要かと…」
「わ‥分かりました」
隊士は中に入って行く…
暫くして中から出て来た。
「入って構わないそうです」
「ありがとう」
瑠衣は少し開いている扉から、蔵の中に入った。
外とは違い薄暗く、血の匂いが充満している。
「副長…」
「はぁ…
橘か、どうした?」
「そろそろ鬼がもう一匹必要かと思いまして」
「相変わらず度胸が座ってるなお前は…」
瑠衣は鞭を手に取りニヤリと笑う。
「ふふふ…
誉め言葉ですよね…?」
「まったく…」
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