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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"


「自分は二階を、副長は下をお願いします」

「あぁ…
分かった……」

瑠衣は二階への階段を登る…
あの様子だと、土方も大分疲れが出ている、時間的に考えて、そろそろ吐かせればならない頃だろう。

二階の狭い通路を渡り、古高が吊されている場所に出る。

そして無表情で鞭で脛打ちを始めた。

土方も下から、鞭を入れていく…。


「ぎゃゃゃゃゃ!!あ"あ"あぁぁぁぁぁー!!」

古高の叫びも一段と高くなっていく。


「どうした?
さっさと吐けば楽になれるぜ…」

「・・・・・・・・」

古高俊太郎…
予想外の意志の持ち主だと思う、普通此処まで耐える者は居ない。


「仕方がねぇ‥橘!!
そこに五寸グギがあるだろう、それを古高の足に打て!!」

「分かりました…」

確かに、近くに五寸グギ二本と金津がある。

瑠衣は躊躇い無く、古高の足の裏に五寸グギを打った!!


「ぎゃゃゃゃゃ!!」

反対側にももう一本…


「ぎゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁ!!」

足の裏は神経が集中している、その痛みは尋常ではない。

更に追い討ちとばかりに、鞭打ちする二人…
土方も鬼ならば、瑠衣も十分鬼である。



土方が蝋燭を二本持って来て、一本を二階の瑠衣に投げて寄越す。

瑠衣も蝋燭を上手く受け取り、近くの火種から蝋燭に火を付ける。


「古高よぉ‥蝋燭の意味が分かるか?
蝋は火に溶け水状になる…
だが、その溶けた蝋が傷から体内に入ったらどうなると思う?
体の中で固まり、血の道を塞ぎ、腐りながら苦しんで死んでいくのさ…
生き地獄とはこんな事を言うんだろうよ……」

土方の言葉に、流石の古高も青くなっている。


「橘‥いいぜ…」

瑠衣も待ってましたと言わんばかりに、五寸グギを打った場所に蝋を垂らしていく…


「あ…あ…あ"ぁぁぁぁぁー-!」

土方も、傷が深そうな場所を選び蝋を垂らす。


「くくく…
地獄の苦しみが待ってるぜ…」

ニヤリと笑いながら、二人は蝋を垂らしていく……

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