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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第8章 "常"


「悪かったなぁ、あんさん強いからなぁー」

「力の問題ですかっ!!
強きゃ甘味好きって法則作らないで下さい!!
そんなの沖田先生だけで十分ですっ!!」

「そりゃそうやなぁ…」

終始楽しそうな山崎、完全に瑠衣をからかって遊んでいる…


土方の命の元瑠衣を探っていた山崎だったが、見事に瑠衣にバレて首根っこ掴まれ副長室に連れ込まれて直談判!!

そこで自分の刀、朱雀と面識がある事、小さい頃から朱雀の一族に稽古をつけて貰ってたなどなど土方の知りたい事を洗いざらい言いまくった(勿論当代様と話し合い済みなので問題無し)


(全く肝を冷やしたのはこっちの方やで…)


あの時の瑠衣の迫力たるや、鬼と呼ばれる土方さえ恐れ宥めるのに苦労する程の夜叉振りであった・・・


 『橘を怒らすな』


幹部の中では既に暗黙の了解に成りつつある現実に皆頭を抱えている。


(こない可愛い顔してなぁ)


土方の腹黒さに負けない瑠衣に山崎もただただ感心するしかない。


朝兼昼餉も食べ終わり、屯所の中を歩いてると原田達が中庭を歩いていた。

稽古後なのか馬鹿なのか、頭から水を被っているようだが…
頭に手拭いを掛けて水滴をポタポタ落としながら歩いてる原田…
その後を永倉、藤堂も歩いてる。

「左之、幾ら暑いからって、頭から水を被るか普通…」

「ぱっつぁんの言う通りだよ左之」

やはり二人共に原田の行動に呆れている。

「暑かったんだよ‥って、よぉ瑠衣、今起きたのかぁ??」

野生の勘なのか何なのか素早く瑠衣を見つける原田。

「おはよう御座います、左之、平助、新八…
もうご飯食べ終わりましたよ」

にっこりと笑いながら三人に挨拶する瑠衣(そろそろ作り笑いが条件反射になりつつある)。

「あー昼飯ー!!
腹減った!!」

「左之、お前の頭の中は飯と酒しか無いだろう」

呆れついでに追い討ちをかける永倉だが…
そんなものが原田に通用する筈も無く…

「女もあるぜぇー
そういやぁ、最近月詠って言う天神が人気らしいぜっ!」

「「つくよみ?」」

よく分からないと永倉と藤堂は首を傾げる。

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