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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第8章 "常"
「月に詠むと書いて、つくよみ、滅茶苦茶美人で、そっちの方もなかなかのモンらしい」
「左之、字読めたんだ…
ってそっちって??」
藤堂はよく分からないそっちの方が気になるらしい。
「そっち???」
瑠衣もそっちと言う言葉に引っ掛かりを持つ。
「左之、天然二人にそれは無理だろう…」
溜め息混じりに言う永倉…
もう好きにせいといった感じが滲み出ている。
「あーそっか!!
そっちってのは男と女の事情の事だ!!」
「「・・・・・」」
やっと意味を理解し顔を真っ赤にする藤堂と、やっぱりかと思う瑠衣。
「瑠衣今日非番だったよなぁー島原行くか??」
ニヤニヤと瑠衣を見る原田に…
「遠慮します」
瑠衣はあっさりと一言即答で終わらした
とりあえず天然と勘違いされたのはそのままにしておくつもり、後々を考えると天然と思わせておいた方が利口だろう。
(まったく‥女が女を買いに行ってどうすんだ?
行く意味が無いだろ!!
それに月詠…華因の事か‥)
天神月詠、島原で天神はかなり上の階級の遊女
中々と上手くやってるようである。
「仕方ないなぁー
平助行くかぁ??」
「僕もいい…左之一人で行って来たら??」
首をブンブン横に振り、全力否定している藤堂、どうやらそっちには抵抗がある様子…
「俺は夜番だ…」
至極冷静な永倉に意気消沈の原田、結局全員に断られた。
「分かったよ…とりあえず飯だっ!!」
そう言い放ち一目散に炊事場を目指し出す…
「じゃぁ瑠衣またねー」
藤堂と永倉も原田を追って炊事場に向かって行った。
「ふぅーーーっ…」
大きな溜め息を吐く瑠衣…
必要な事とはいえ人付き合いも中々大変である。
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