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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"
藤堂は鉢鉦を直そうと、結び目を外した瞬間……
「平助―――!?」
「えっ?」
一瞬の隙を付き、浪士の一人が藤堂に刃を入れた……
「あ・・・・・」
『ズシャ!!』
すかさず永倉が、藤堂を襲った浪士を胴払いで斬り倒すが…
藤堂は額から血を流し、ゆっくりと倒れてゆく・・・
「平助!生きてるか!?」
「・・・新ぱっちゃん…
かすり傷だよ……」
頭部の傷は、思うより出血量が多い。
永倉は着物を切り裂き、藤堂の額に何十にも巻き付ける。
「平助、それで戦闘は無理だ!!
外まで保つか!?」
「うん…
保たして見せるよ!」
ふらつきながらも藤堂は起き上がり、暗闇に紛れ戸口を目指す。
永倉は藤堂の援護で、後ろ向きで敵を威嚇しながら歩く…
戸口までもう少し…
「新ぱっちゃん…
もう良いよ、後は自分で行けるから……」
「分かった、外でちゃんと手当てをして貰えよ」
「うん…
ありがと……」
藤堂はそのまま池田屋から外に出た。
「「!!!!!」」
谷兄弟がふらつく藤堂を助け、近くの戸板を蹴破り、戸板を一枚持って来て藤堂を寝かせる。
「しくじったなぁ…………」
そのまま藤堂は気を失った・・・
中の乱戦はまだ続く…
藤堂が居なくなり永倉は苦戦を強いられる事に……
『キンッ…ドスッ…』
後ろからの攻撃が無いように壁に背を付き、後が無い。
「参ったな‥まだ沢山居る…
保つか??」
『グサッ…』
また一人…
『ドスッ…ザンッ…ザンッ…』
「???」
「大丈夫か永倉!?」
近藤が後ろから援護に駆け付けてくれた!
「助かったよ近藤さん、正直不味いと思ってた…」
藤堂離脱後、永倉も鍔迫り合いで、指元を少々斬られている…
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