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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"
そのお陰で思うように刀に力が入らない、其処を技量で補っていた。
「永倉、まだいけるな?」
「当たり前だろ近藤さん」
近藤と永倉は、敵向かって突っ込んで行く・・・・・
瑠衣も辺りを見回しながら、襖を次々蹴り破って進んで行く。
やはり、部屋部屋で敵が待ち構えており、襲い掛かって来るのを一撃で仕留める。
「後どれくらいだ?」
後ろを見れば死体と血の山…
幾ら自分でも嫌気がさす。
次の襖を蹴破り飛ばす!
「はぁぁぁ!!」
中から、浪士二人が斬り掛かって来る!
『ドスッ…ドスッ…』
急所ひと突きで二人の浪士は倒れる…
多分、何が起こったかすら分からずに絶命してるだろう。
「・・・・
後‥四人……」
廊下側からの敵の気配が無い、総司が全て片付けたのだろう、なら此方もうかうかしてられない。
瑠衣は次の部屋に進む…
其処に三人の浪士。
「はぁぁ!!」
『ドスッ…ドスッ…ドスッ…』
一気に浪士を倒して、最後の襖に向かう。
(次は吉田稔麿!!)
瑠衣はゆっくりと襖を開ける…
其処には、膠着状態の総司と吉田が居た!!
吉田と対峙してどのくらい経ったのか…
お互い一歩も引かず、絶妙な状態が続く…。
「ふんっ…
前より強くなってるな…」
「お陰様でね…
まぁ、あなたのせいですが……」
あの火事騒ぎの時に会った浪人が、吉田稔麿だったとは…
名は有名でも、顔は知られて無い人物でしたっけ。
総司は土方が、そう言ってたのを思い出す。
「余計な手助けか…
まぁいいさ……」
吉田が総司に飛び込んで来る!!
『キンッ…シュン…』
そんな吉田の攻撃をかわす総司、確かに前ならばかわせなかったかも知れない。
お返しとばかりに総司も反撃する!!
『キンッ…キンッ…シュン…』
どちらも互角…
勝負は一瞬だろう、また間合いを取り、様子を見る。
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