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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第33章 "乱"
"バンッ…!!"
そんな時、瑠衣が追い付いて部屋に入って来た。
「…其方は終わったのですか橘さん……」
「えぇ…
全員仕留めましたよ…」
お互い隙無く吉田を見る。
「一人増えた所で何になる?」
不適に笑う吉田、その余裕のせいなのか、総司は嫌な汗をかくのを感じる・・・
"くらっ・・・"
「え?」
総司は急に目眩を感じ‥体がふらつく??
(何‥ですかこれ??)
急速に意識が朦朧とし、立っているのも辛い。
刀を畳に刺し、我慢しようとするが、意識が混濁する…
総司はそのまま気を失い倒れた………
「先生っ!!」
瑠衣は総司の元に駆け寄り‥体が異常に熱い…
やはり熱中症…
瑠衣は此を心配していたのだ。
池田屋で倒れたのは、熱中症という説もある…
自分が知っている総司の人生の中で、此処で労咳が発病したら、普通は五年も保たない……
だから、瑠衣は総司の倒れた原因は熱中症だと睨んでいだ。
(嫌な感は当たるもんだ…
神様が神様に願っても無駄か……)
とりあえず総司は暫く保つ、その間に吉田を殺らなければならない。
瑠衣は総司を呼吸し易いように寝かせ、吉田の前に立ち塞がった。
「今度はお前が相手か」
吉田の言葉に瑠衣はニヤリと笑う。
「早いとこ先生の治療をしたいんでね…
悪いが、お前には本気で殺らせて貰う…」
瑠衣は普段使わない、朱雀の剣技の構えを取る。
「見ない型だな…」
吉田も瑠衣の本気を見抜いて、刀を構えた。
「見ないだろうな…
この型を使うのは、本来は朱雀様ただ一人だからなっ!!」
その途端瑠衣は"神足" で吉田に飛び込んだ!
「!?」
吉田には消えたようにしか見えない、だが…
『ズシャ!!』
瑠衣の刀が、逆袈裟で吉田の体を斬り裂く。
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