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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第8章 "常"
当代様が出来なく、自分が出来る事…
唯一はっきりしている差である"時渡り"は生憎と封じられている。
(では何だ??)
考えても一向に答えは出ない・・・
(自分に何をさせようとしている??)
わざわざ新撰組に入隊しなくても別の方法もあった筈、目的は沖田総司ただ一人…
なのに今の置かれている立場はまるっきり逆、隊士として組に入り、隊務をこなし人付き合いまでしている。
(本当に・・・)
意図が分からない、"鬼"の為かそれとも別の目的か……
自分の知っている当代様とは微妙に違う、考え方も行動も晩年のあの穏やかな当代様とは偉い違いがある
その分此方も腹の内が全く読めない。
(参ったな‥振り回されるのだけは御免だ)
此がぶちまけの瑠衣の本音そのものである・・・
兎に角‥沖田総司の病を治し、さっさと現代に戻りたい…
後戻りが出来なくなる前に…。
最近本当に余計な感情が表に出てしまう、朱雀としては少々不味い、孤高で一族を管理する其れが朱雀‥そう思っている。
なのに現状は分からない感情に振り回され(一番は総司だが・・・)、かなり戸惑っているのは確かな事…
神様だとて肉体を持っていたら感情だってある
多少違う部分はあるが人並みに喜怒哀楽くらいは理解出来る、ただ永きに渡り朱雀として一族を束ねている内に忘れ去っていた感情だが…
忘れ押さえ付けていた感情…
それを取り戻したら自分は?
(…分からないな‥どうなるか…)
感情の無い朱雀でいい、ずっとそうして来たのに・・・
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