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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第9章 "急"
「お願いします」
総司は一言言うと木刀を平青眼に構えた。
その瞬間!!
「!!!!!!!!!!」
まるで動いていないと思われた朱雀様が総司の目の前で喉元に木刀を付けている。
((((何時動いた!?))))
誰も朱雀様が動いたのを見えた人は居ない…
いや、瑠衣だけは見えていたが…
(平青眼に構えた瞬間に"神足"か…
予想外に早く終わらしたな…)
実力のあまりの違いをまざまざと見せ付けられ、総司は声すら出せない。
「そなた、まだ伸びるぞ…」
朱雀様はそう言い木刀を降ろしてしまった。
「あ…
ありかとう御座いました…」
やっとの思いで声を出す総司、何も見えなかった事に‥あまりにもの速さに驚きと何一つ動けなかった悔しさに言葉が思うように出て来ない。
(あれはキツいな…
暫く落ち込むか??)
多少総司に同情しながらも当代様の動きから目を離さない…
木刀を斎藤に渡し、近藤達の所にやって来る朱雀様。
「流石お見事です…
私達には何も見えませんでした…」
驚きと悔しさを含んだ声で土方はそう語る。
「…もう少し速さがあれば、より良く伸びるであろう」
現段階の総司の速さは普通の人間を遥かに凌駕している…
それを更にとなると、並大抵の苦労ではすまないのに…
「作用で御座いますか」
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