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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第9章 "急"


(当代様は六撃だったな…)


同じ技でも繰り出す連撃の数が違ったのだ…

当代様は最大六撃

瑠衣は最大九撃

瑠衣の方が出せる連撃の数が多いのである、総司と山崎はその姿を信じられ無い気持ちで見ていた。


((橘(さん)が勝った))


朱雀様の赤い瞳を見た時、二人共瑠衣が負けるものと確信していた。

だが、勝ったのは間違いなく瑠衣である…
その証拠に朱雀様はまだ壁を背にへたり込んでいる。


(あの一瞬で九撃??)


確かに一瞬で九回音が鳴った
自分の得意技三段突きなど全く比較にもならない速さに、ただただ驚き意外の何物もない。


当代様はやっと正気に戻りゆっくりと立ち上がる。

「九撃入れるとはな…」

まだ床に手を付いて座っている瑠衣を見る。


(あの一瞬で自分も力を使ったか…
流石の判断力よ)


"時渡り"が出来る時点で、力は瑠衣の方が上なのは直ぐに理解出来た(当代は"時渡り"は出来ない)

しかし今は"時渡り"中である…
力の回復にかなり差が出てしまう…
九撃中三撃受けても、そう時間もかからずに力も怪我も回復する我。

だが向こうは使った力はなかなかと言うか殆ど回復しない。


(大地の恵みの差だのう…)


前にも触れた通り"時渡り"中の朱雀には大地の加護が無い、その為自然回復が出来ない。


(・・・・・・・・)


瑠衣もゆっくりと起き上がる。


(流石にキツい…)


一瞬とは言え朱雀の奥義の一つを使ったのだ、力の消耗が激しい…
極力力を放出しないよう瞳は無理やり茶黒に戻してはいるが…


(だから力は無しと言ったのに、我を忘れて使ってしまった)


後悔先にたたずである。

「すまぬ、つい我を忘れたようだの…」

少し渋い顔をしてすまなそうに言う当代様。

「いえ、自分もですから…」

瑠衣も俯いて当代様に乗ってしまった事を反省している。


ふと当代様は瑠衣に向かって歩いて来る。

「…無理はするな」

瑠衣の木刀を握り、力を解放させカランと床に落とす…
そして瑠衣の腕を掴み己の方へと引き寄せた。

「・・・・・・・」

抵抗しない瑠衣、いや抵抗する力さえ残ってはいない。

そのまま自分を抱きしめる当代様、何時の間にか髪が銀色に戻っている・・・
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