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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第9章 "急"
「あっ・・・・・」
顎に手をかけ上を向かされ…
そしてそのまま瑠衣の唇に己のそれを重ねた・・・
「んっ・・・あっ・あ・・」
角度を変え何度も唇を合わす二人…
その二人を外から見ている総司と山崎・・・・・
(朱雀様って、そっちの趣味があったんかいな…)
仕事上、島原に遊女として潜入する事もある山崎、見慣れている光景なのについ頬を赤く染める。
(朱雀様と橘さんって…)
此方は全く免疫が無い総司、目の前の光景を信じられ無いものとして映っている。
(けど、何でしょう?
何かムカムカします…)
自分で自分の感情が良く分からない‥
男と男(まぁ一応…)が接吻している姿に何故苛々するのか?
この時代衆道の道と言うのがある、用は男と男の恋愛感情だ…それも武士や僧侶に多いと聞く、新撰組内でも多々ある光景ではあるが…
(私は普通と思っていたのですけどねぇ…)
総司の場合は男どころか女も苦手な方である。
特に島原なんかは、あの遊女の独特の化粧の匂いが駄目であるし、剣一筋で女の事など考えた事など殆ど無い。
だから今目の前の光景が有り得ないと思いながらも心のモヤモヤが全く分からない。
二人がそんな事を思っているうちに朱雀様と瑠衣の行為は激しさを増す…
「んっ・・・」
瑠衣の僅かに開いている唇に己が舌を差し入れる当代様…
「いやっ・・・あっ・・・」
逃げる瑠衣の舌を追いかけ、絡み取り接吻は更に深くなる…
「んんっ・・・んぁ…あっ…」
絡みとった舌を十分に味わい、更に深く唇づけを続ける…
「あっ・・・と‥とうだいさま・・・・」
力不足のせいか激しい接吻に意識が朦朧として来る、これは少々不味いと思う‥このままでは当代様の力に魅せられてしまう‥
当代様の着物をギュッと掴み、激しい接吻に体に力が入らなくなってくる…
それに気づいたのか、当代様は瑠衣の腰に腕を回して支えて来た…
それでもまだ唇は離さない…
「はぁ・・あっ・・・・」
瑠衣は当代様の口付けのなすがまま…
舌を絡め取られ、口端から溢れた銀色の筋が流れ落ちる。
夜の道場の内に瑠衣と当代様の卑猥な接吻の音だけがやたら大きく響き渡る……
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