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いじっぱりなシークレットムーン
第12章 Fighting Moon
 

 あたしは割り込んだ。

「失礼ながらお義母さま。朱羽と専務を息子とする気なら、彼らに謝罪があって当然のことと思いますが、それをなさったのでしょうか」

「な、なにを下民が! 私を誰だと……」

 選民意識があるのなら面倒だ。こいつは後回しだ。 

「ご当主。朱羽がおかれた境遇を、ご存知ですよね?」

 あたしは言いたい。

 どうされてもいい。殺されようと構わない。

「彼と専務の母親がなんで死んだのか、ご存知ですよね?」

「まあ、どうしたの? 私聞きたいわ!」

「それはですね……」

 衣里に答えようとすると、当主の怒りが爆発した。

「ええい、黙らんか!! お前はなんだ!! どこの馬の骨ともわからん奴が」

「はい。お話を聞いてくれそうにないので、こちらのお嬢様と意気投合してしまいました。ご当主より、よっぽどお嬢様の方が話がわかる」

「なんだと!? この命知らずが!! お前だけではなく、お前の家族を調べ上げて、社会にいれなくしてやるぞ!」

 ああ、キレちゃったんだね。

 だけど怒りには怒りで。

 同化しろと、名取川文乃は教えてくれた。

 決して、怯むな!

「そうやって力で抑えてなんになると思うんですか。私はあなたがどうとでもなるような女ではない。孫である朱羽を勝手に呼びつけて、朱羽の望まない結婚をさせてなんだというんですか!! 彼女の家を乗っ取るおつもりで!?」

「まあ……っ」

 衣里があたしに合わせてくれる。

「違う、そんなことは……」

 当主が慌てた。

「朱羽の気持ちを考えましたか!? 専務の気持ちも!! そりゃあ息子さんが死んでしまったのはご愁傷さまですが、嫌だという人間を継がせなくたっていいでしょう。その肩書きに満足しているのは、あなただけですよ、当主!! 身内に嫌われる財閥が、いい財閥なわけないでしょうが!」

 あたしも止まらない。

 庶民だからわかることもあるのだ。
 
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