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いじっぱりなシークレットムーン
第12章 Fighting Moon
 

 なんとなくだけれど、当主は当主なりに孫を愛している気がした。だが、孫から愛されていないと知って、ダメージを受けたようにも思えた。

 それでも素直になれない当主は、威嚇を始める。

「ワシにたてつくものは、皆……」

 元気がないままに――。

「だから助言者がいないんです。孫は本音を言えず、反発するだけになる」

「………」

「ご当主が後継者にしたいと思う孫と、意思疎通がまるで出来ていません。それをまず焦って下さい。危機的です」

「………」

「後継者がその気にならないと、会社は発展しません。あたしの会社も今社長が息子になりました。しかし父親は、息子のためにと用意した会社を、押しつけようとしていなかった。息子は自ら決心して、会社をもっと盛り立てて父親を安心させようと、躍起になっています。羨ましいと思いませんか! それが意志を継ぐというものでしょう」

「………」

「朱羽はそれに賛同しました。彼がやる気を見せたのは、他人の会社です。彼を跡取りにしたいのなら、まず忍月でやる気を出させて下さい。彼が忍月に居たいと思わせるものを作って下さい」

「ふふ……」

 静まりかえった中、馬鹿にしたように笑ったのは……、

「ふふふふ、あははははは」

 朱羽の義母。

「なにも知らない庶民に、ここまで言われるなんて忍月も大したことがないわね。お義父さま、なめられているんですよ? 人情論を持ち出して、庶民じみた考えが、我が財閥で通用するとでもお思いか!」

 ああ、やはりボスはこの女だ。

 彼女には、血の繋がる家族がいないため、まるであたしの言葉が効かないのだ。

「我らに口を利こうと思うなら、まずそれだけの身分になってから言いなさい。この下民がっ!」

「……あなたは、その下民ではなかったのですか」

 あたしは静かに言った。

「下民は、忍月財閥に入れば上民になるものなんですか? 忍月の血を一滴も引いていないのに」

「環境が私を作った。お前にとやかく言われるものは……」

「つまり、イミテーションですね、あなたの地位は。あなたが思いこんでいるだけで、あたしとなんら変わりがない。いや、あたし以下かもしれない」

「なんだと!?」 
 
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