この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
 


   ・
   ・
   ・
  
   ・


「陽菜は、頼もしい戦友を手にしましたね」

「ふふふ、あら寂しい? 衣里さん」

「少し。だけど、沙紀さんがいてくれてよかったと本気に思います。同じ立場の彼女は、きっと陽菜にとってアドバイザーになるから。陽菜は、これから色々と学んでいかないといけない。理論や感情だけでは解決しない出来事もあるのだから」

「そうね。変えられる現実と、変えられない現実がある。それをどこまで変えて見せるのか、正直私はわくわくしてるの」

「名取川さん?」

「私もかつては、身分違いの恋愛をしていた。私の方が上だったんだけれどね。双方納得の上で別れることになったけれど、その別れ際彼は、高価な友禅の着物を贈ってくれたの」

「陽菜の着ていた着物ですか? もしかして……その相手は! すごく驚いた顔をして、陽菜を見ていたのはもしかして!」

「ふふふ、彼も覚えていたのね……。陽菜さんに、私が果たせられなかった夢を果たして貰いたい。私は、優しくなんてない。自己中心的な女なのよ」

「私はそうは思いません。果たせなかった夢を、誰かに託したっていいじゃないですか。それが自分が気に入る人間の幸せにも繋がるのなら。私だって陽菜の友達でありながら、陽菜に……私が果たせなかった夢を託しています。名取川さんと同じです」

「ふふふ……」

「ではもうそろそろ、声をかけに行って来ますね。この分だと、私を外して盛り上がって終わりそうなので」

「そうね。もう少ししたら、結城さん達も来ると連絡がありました」

「申し訳ありませんが、その時……名取川さんのお知恵も拝借してよろしいですか?」

「こんな年老いたもののものでよければ」

「まだまだ若いですよ、名取川さんは。よし、では行って来ます!」

「行ってらっしゃい」


 襖の奥で衣里と名取川文乃が会話していたことに、沙紀さんと団結するあたしは気づかなかった。

/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ