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いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
 

 ~Wataru Side~



 本家で育った俺が、本家を出てひとり暮らしを始めたのは、俺が辞令を受けてN.Yから戻った時だ。

 朱羽は、俺の一人暮らしをしている姿しか知らない。

 忍月本家の給仕達は、表面上おとなしいが腹の中は真っ黒な奴らばかりだ。なにより俺や弟達の母親が、メイドから愛人に収まって子供を産むパターンが多かったため、その恩恵に与(あずか)ろうとしているのが丸わかりだ。

 ババアが闇に葬っていることを知らぬ女達は、呑気なものだ。

 上が上なら下も下。

 欲に腐りきっているのが、成り上がりの忍月本家だ。

 男というのは、老齢の執事と庭師と下足番には居るが、口がきかねぇ耳が聞こえねぇそんな奴らばかりだ。これも情報漏洩防止とか、ジジイは笑ってぬかしやがったが、じゃあ女はなんなんだよ。

 男に絶対服従するのが女だという、男尊女卑の精神にジジイは立っている。
 
 俺もわかっている。

 本来ならば俺が忍月の当主の座を継げばいいだけのこと。

 朱羽が可愛いなら、カバが可愛いのなら、そして月代さんの会社を守るためなら、俺が一刻も早く忍月に入ればいい。

 だけど、沙紀と会ってしまった。

 沙紀を失いたくなくて。


 本家では俺が選んだ庶民の沙紀を正妻にすることが叶わず、死と隣り合わせにしてしまう危険から、後継者になると言い出せない俺に、朱羽もカバも沙紀も、結城も衣里も三上も他社員も、向島も、名取川さんも矢島さんも、そして月代さんだって、一度もそうは言わなかった。俺を責めなかった。

 
 
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