この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
 


 俺は考えた。

 沙紀が居て、沙紀だけを妻に出来て。

 今の本家の体制を変えて、ジジイをおとなしくさせてババアを追い出すことが出来たら。

 俺は別に、忍月コーポレーションが好きなわけでもねぇけど、働きたい。仕事上の駆け引きや、競り合いが好きだ。規模を拡大できたら、興奮が止まらない。

 俺と朱羽が居れば、海外にも手を広げられるかもしれねぇ。

 忍月コーポレーションに朱羽が居た時に、ほんの僅か抱いた世界の夢が、実現できるかもしれねぇ。


「他の兄さん達がどう言うかはわからないけど」

「会社を潰されずにすむんだ。俺が恩を売って、あいつらなりに会社を大きくして借りを返して貰えば、世界の忍月財閥になれるな」

「ふふ、渉さん……いけない目をしてる」

「なんだよ、それ!」

「あはははは」

「中々面白い案じゃないか、朱羽。だけど俺がやるなら、どでかくするぞ。それをすべて背負いきれるか、お前。もしかして余裕なくして、カバに愛想つかされるんじゃ?」

 すると朱羽は笑った。

「やだなあ、渉さん。俺はひとりではないんです。陽菜がいる。俺がどこにいても、陽菜と友達と仲間が、辛い時は助けてくれます」

 とても晴れやかで、爽やかな顔で。

「彼女は仕事が大好きなんですよ。俺が大好きな皆も、仕事が好きなんです。一緒に仕事が出来るのって、すごく楽しいと思いませんか?」

「はっはっは。お前かなりシークレットムーンに感化されたな。忍月コーポレーションに居た時のお前に、今の台詞は死んでも出てこねぇぞ」

「でしょうね。俺の人格形成にも、シークレットムーンで働くことはプラスになると思います」

 本気に考えてみようか。

 沙紀を喪わずに、そして朱羽に引き継ぐことが出来るのなら。

 沙紀とカバも仲がいいし、絶対あのババアのようになる奴らではない。

 結城や衣里も、三上や木島も……身分や肩書きで姿を変える奴らじゃない。人間の本質を見て動く奴らばかりだ。

 いいですかね、月代さん。

 あなたの子供達を、俺も結城と共に面倒みることは。


 その時、ノックの音がした。


「失礼します。ご挨拶にお伺いしました」


 入って来たのは――。


「私、執事見習いの吾川と申します。お見知りおきを」


 出したはずの沙紀が、唇に指をたてて言った。

 なぜここに居る!

/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ