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いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
『朱羽へ
専務と元気でいる?
連絡とれないの、凄く心配です。
無事であるようにと、心から願ってます。
あたしは元気!
今朝は朱羽の夢、見たの。嬉しかった!
今日これから、名取川家にご当主が来ます。
うまくいくかわからないけれど、あたしは当主にもう一度お話してみます。
傷ついてもいいから、真心を込めて。
それが過ぎれば、明日会えるね。
監視役とか怖いけど、早くその場に行きたい。
朱羽に会いたい。
離れているの、3日だけなのに、すごく恋しいんだ。
すごく、すごく……。
朱羽が本当に好きです。
このまま離れて生きることはできません。
早く、朱羽を取り戻しにいきます。
追伸
シークレットムーンの皆が、名取川家に集まって話していたの。
もしも酷い祖父が改心して、怖い義母さんがなんとかなって。
あたしと朱羽の交際を認めて貰えたら。
朱羽と専務の因縁が、もしも薄れてくるようであるのなら。
やはり他の兄弟も当主になりたくないというのなら。
専務と朱羽のふたり体制で当主になるのどうかなって。
朱羽はシークレットムーンに通いながら、専務を補佐する形に。
専務が当主で朱羽が次期当主との形でもなんでもいい。
専務と朱羽の頭脳があれば、無敵だし。
今までの忍月財閥を変えられる。
あ、だけど朱羽はシークレットムーンと両方だよ?
シークレットムーンは朱羽にずっと居て貰います!
朱羽はシークレットムーンの朱羽だし、仮に財閥を継いでも、朱羽は変わらないとあたしは信じているから。変わらないような財閥を作って?
専務がシークレットムーンを救おうと、あたし達を指揮してくれたように、あたし達と朱羽、専務の関係は今まで通りで、あたし達は今まで通り会社を大きくしながら、今度は忍月財閥のお手伝いをするの。
あたし達、専務も大好きでね。さらに朱羽のためなら喜んで動くって。
感謝より実益の方がいいかなとか、皆で話してたんだよ。
忍月を拒絶するだけが道ではない。
お祖父様が考えてくれるのなら、双方が納得できる道を模索するのがベストのようにあたしには思うの。
拒絶は、話してみても駄目だった最後の時に。
どうだろう。
因習や慣習に囚われない、新たな財閥をお兄さんと築くというのは。
専務と朱羽の化学変化を、あたしは……あたし達は、見てみたい。
陽菜より』