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いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
 

「早く、出てきなさい」

 しかし出てこない。

「俺、二人目なんて知らねぇよ。親父は?」

「いや。専務がむっちゃんを訪ねて病院にくるまで、俺も監視役知らなかったし」

 では誰?

 二人目の監視者は。


「早く出てきなさい。出てこないと、棄権になるわよ?」


 しかし出てこないのだ。

 誰ひとり。


「おい、二人目! 出てこい」


 専務も慌てたようにして声を張り上げた。


「カバ! ここにいるのは全員か? 間違いなく!?」

「……は、はい。全員いますけど」


 途端に専務は頭を抱えた。


「監視役は、現役社員ではないんですか、当主!」


 専務の質問に対する当主の声がする。


「然り。二年前に社員だった人間から、変更はしておらぬ」

 抑揚のない厳しい声。


 え、だったら辞めた社員がそうなの?

 会社に愛情がなく辞めていった人達が、監視役なの!?


 あたしは朱羽に青ざめた顔を見せた。


「渉さん。一時開始なのに、二人目が来ませんわね。これは棄権じゃないかしら?」

「も、もう少し……」

 誰?

 二人目はここに来ているの!?


 あたしは居たたまれず、ドアに走る。


「あたしが見てきます!!」


 ドアに手をかけた瞬間だった。


「すみませーん、渋滞で遅れましたぁ」


 自動的に開いたドアから、ふわふわとしたスカートが見えた。


「監視役集合は一時からでしたよね、間に合いましたぁ? 忍月のご当主」


 二人目の監視役、それは――、


「ち、千絵ちゃん!?」

「そうでぇす。お久しぶりです、鹿沼主任」


 もう会うこともないと思っていた、千絵ちゃんだった。

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