この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
 


 ***



 沙紀さんが女性だということを、専務は当主に口止めをした。

 どんな使命を帯びてここに居るのかよくわからないが、彼女がいてくれるからこの屋敷のどこになにがあるのか、教えて貰える。


 この大邸宅の一階は、応接室以外にも客間と使用人の寝起き出来る部屋と厨房があり、二階には忍月の住人の各部屋と食堂があるらしい。

 風呂とトイレは両階に設置されている。

 当主が考え込んでいた中で、専務が先に出ているようにとあたしと沙紀さんに指示をしたから、二階に上がり美幸夫人の部屋を訪問した。

 沙紀さんがいるから心強い。

「私ね、あの女に勝つ必勝アイテムを持っているのよ」

 そう、なにを持っているのかはぼかして、美幸夫人の部屋のドアをノックしたが、中から聞こえたのは――。


『具合悪いから寝かせて』


 沙紀さんが笑う。

「きっと、陽菜ちゃんに見つけられたくない"証拠"を処分したりと大変なのよ。だけど一番は、その証拠がなくなっているからきっと焦っていると思うわ」

「なくなってる?」

 沙紀さんは意味ありげに笑うだけだった。

「朱羽くんの部屋につれていってあげる。渉と当主とまだ話してるのかもしれないから、朱羽くんの部屋で待ってて? ちなみに陽菜ちゃんの部屋はないから」

 にやにやと沙紀さんは笑う。

「え!? 客間……」

「駄目駄目! 朱羽くんが可哀想だし!」

「いや、でも……」

 恥ずかしいじゃないか。

 朱羽の家に来て、あたしを恋人だとまだ認められていない状態なのに、朱羽の部屋で寝起きするなんて。

 それこそ、美幸夫人のような愛人止まりがでかい顔をしているようで。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ