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いじっぱりなシークレットムーン
第4章 Secret Crush Moon
 

 そんなことを思えば、説明している課長に向けられているはずの皆の視線がそれて、あたしを見ている気がしても、それでも振り払って頑張れる気がする。

 拳を作ってぎゅっと力を入れて小さなガッツポーズを結城に見せると、その隣に座る衣里共に、あたしと同じ動作をして見せた。


 "頑張ろう"

 奇異なる視線を向けられても、嘲笑されても、高校の時と違う。あたしはひとりじゃない――。


 香月課長の声が聞こえる。

「タブレットにインストールしてあるアプリを立ち上げると、リモートアクセスサーバーに連動します。暗号化され認証を行うSSL-VPN方式、その中でもインターネットからイントラネット内(企業内ネットワーク)のサーバへのアクセスを中継する、リバースプロキシ方式をとっているので、、インターネット上に公開されていない、イントラネット内のサーバの中のWEBやファイル、FTPサーバにアクセスすることを可能にします」


 つまり、社内のパソコンに安全に遠隔接続(リモートアクセス)できるアプリが入った、タブレットということらしい。

 個人だけの使用だけではなく、社員全体がわかるような全社員共通のイベントなどのスケジュール表や取引先情報、個人または任意にわけたグループでのLINEのような複数チャットや、回覧にも使える告知掲示板など社員全体で管理できるものだけではなく、社内ネットサーバーに保存してあるファイルなども、社外から取り出して見れる、そうだ。


 アプリは誰が作ったんだ?

 まさかそれも課長とか!? え、作れちゃうの、あのひと!!
 
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