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いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
「お前……、未来の当主夫人になるんだぞ? 朱羽が当主になったら、お前も横に立って、色々と朱羽と飛び回ることになるんだぞ?」
「はい? 当主夫人は、沙紀さんじゃ……」
「当主が交代してるのに、妻はそのままか!? 俺の沙紀を、朱羽の妻なんかにやらねぇぞ!?」
「俺だって、沙紀さんを妻にしませんよ」
あたしは目を瞬かせながら沙紀さんと朱羽と専務を見渡した。
「……妻?」
妻!?
今その話をされてたの!?
「あったり前だろうが。朱羽の見合いぶっ潰して朱羽を結婚させないようにしておいて、お前がその気がないなら朱羽を一生未婚の独身にさせる気か!?」
「渉さん、落ち着いて……」
「お前少なくとも英語は出来るんだろうな!? 世界の忍月財閥になるんだから、世界各国飛ぶんだぞ!? 留守番なんてさせないぞ!」
「え、英語!? まったくわかりません!!」
「断言するな、勉強しろ!! ついでにフランス語と、ドイツ語、イタリア語もだ!」
「フ、フランス語は木島くんが……衣里が色々わかってますけど……」
「あいつらが朱羽の横に立ったって、意味ねぇだろ!?」
「はい、ここからは朱羽くんと陽菜ちゃんの時間。渉、行くわよ」
「朱羽が好きなくせに、なんでカバはそこらへん考えてねぇんだよっ」
ずるずると専務が先さんに引き摺られていく。
「朱羽、お前よ、もっと自覚を促す愛し方を……」
兄は弟になにかを言いたいようだが、ドアから出ていった。