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いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
「いや、でも誰が聞いているかわからないし……」
「いいよ、聞かれてても。まとわりついてきて気持ち悪いあいつらに、俺が抱くのはあなただけなんだと思い知らせてやりたい。俺がどんなに陽菜を愛して、陽菜がどんな声で悦んでいるのか」
朱羽があたしに抱きつくようにしてあたしの隣に横臥して、あたしの双肩に両手を置く。
「いや……でも、まだなにも解決していないのに……」
「不安じゃない? 大役引き受けて」
朱羽が切なそうな顔で訪ねてくる。
「不安がないとは言えないけど……」
「だから俺がいるだろ?」
朱羽はあたしを抱き寄せた。
朱羽の匂い――。
「意気込みすぎるあなたを安心させてやりたい。俺は傍にいるんだって。たとえうまくいかなくても、俺はあなたのものだ。あなたが思っている以上に俺が、ずっとあなたに浸透しているということをあなたに教えたい」
視線が絡むと、唇が重なる。
最初は軽く、次第に激しく。それでも朱羽のリズムは崩れない。
絡まる舌。肩をまさぐる手。
息苦しいほどの朱羽の激情に身体を熱くさせながら、着物の裾をはだけるようにして足が動く。
ああ、このひとがここにいてくれれば、不安なことはない。
そう思えど、朱羽を知ってしまったあたしには、これだけでは足りない。
足りないよ、朱羽――。
「ん……。そんな顔でおねだりしないの。俺は抱きたいって言ってたんだよ? 拒んでいたのはあなただ」
甘い声があたしを誘惑する。
「あなたのナカに挿れさせて?」
「……っ」
「あなたとひとつになりたいんだ。もうふたつに別れないように、溶け合いたい」
ああ、この甘く囁く声にぞくぞくする。
求められることに、秘部がきゅんきゅん疼く。
朱羽が欲しい。
「俺を、あなたのナカに帰らせて」
朱羽とひとつになりたい。
「ん……」
頷こうとしたあたしの顔を持ち上げるようにして、再びねっとりとした舌が、あたしの口腔内に暴れた。
あたしの弱いところを知り尽くしている朱羽の舌に翻弄されて、声が止まらない。
気持ちいい。
気持ちいいよ、朱羽とずっとこうしていたい。
キスだけで熱く蕩ける身体は、朱羽を求めて濡れ、それを感じたのか、銀の糸を作りながら離れた朱羽の唇は、微かに笑いを作る。