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いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
 

 見慣れているあたしの身体だというのに、そこに朱羽が立つだけで恥ずかしくてたまらない。

 朱羽があたしを見ながら両胸を揉んでくる。

「わかるか? 陽菜のこの柔らかい胸。俺にこうやって揉まれると、こんなに形を変えるんだよ?」


 いやらしい朱羽の手。

 あたしは咄嗟に口を手の甲で抑え、声を我慢した。

「そうすると、あなたの乳首がぷっくりと膨らんで」

 朱羽の指が両胸の先端を捕えて、引っ張る。

「こんなに固くなる。潰したり捏ねたりすれば、さらに固くなる。いやらしい陽菜の身体は、強くすると悦ぶんだ。こんな風に」

「……ふっ、んふ…っ!」

 鏡の中で、胸の頂きを攻める朱羽のの指がいやらしくてたまらない。

 長い指先で摘まんで捏ねるその指の形と動きだけで、あたしの肌が紅潮してくる。

「それでこうしている時に、キスをすると」

 朱羽の顔がすぐ横に出てきて、あたしに濡れた目を向ける。

 ああ、こんなに近くで朱羽がこんな目で、唇を開いて誘われるだけで。

「んぅっ、んん、んん……はぁぁっ」

 声を止めることなんてどうでもよくなって、頬を擦り合うように唇を重ね、朱羽の舌を欲しくて舌を出してしまう。朱羽からも伸びたその舌で触れあうと、もうそれだけで朱羽の身体に身を凭れさせて、我武者羅に朱羽が与える情熱を甘受する。

 朱羽の熱と匂いが欲しい。

 溶けてしまいたい――。


「陽菜、鏡を見て」

 誘導されるようにしてキスをしたまま、横目で鏡を見た。


 はだけられた襦袢から胸を揉まれ、陶酔しきった顔で朱羽にキスをせがんでいる自分の姿。

「いや、いや……っ」

「いやじゃないだろう? 陽菜、俺が好き?」

「……っ、好きっ」

「好きな男にこうやって気持ちよくされて、嬉しくないの?」

 顔中にちゅっちゅっとキスをされて、悦ぶあたしの顔。

「こうやって、俺に愛されるのは好きじゃないの?」

「好き……っ」

「じゃあいやじゃないだろう? もっと、そう言ってよ」

「……っ」

 気持ちいいことは当然だとそう言われた気がして、羞恥に凝り固まったものが僅かに解放された気がする。
 
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