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いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
 

 しかし手がぴたりと止まった。

「ああん……」

「陽菜、俺が挿りたがっているのが、この穴だよ」

 初めて見るその蜜壷の穴は小さくて。

「俺のが入るとぎっちぎっちと拓いて、迎えてくれるんだ」

 朱羽の指が蜜壷に入り、そしてあたしは根元まで呑み込んだ。

「……きゅうきゅう。可愛いね、そんなに欲しいの?」

 朱羽の中指が蜜壷の壁を擦りながら、大きく抜き差ししてくる。

「あああ、やあ……っ」

 時折指を曲げられ、唐突な快感にひっと固くなるあたしの頬にキスをしながら、朱羽は指の数を二本に増やし、腕を奮わせる。

「あっあっ、あっ」

 朱羽の腕を掴みながら、気持ちいいと頭を振るあたしを、別のあたしが鏡で見ている。

 朱羽の手が飛沫にまみれ、あたしの太股に卑猥な筋が幾つも出来ている。

 はしたなく足を大きく開き、朱羽のくれる快楽に流されているあたし。

 そんないやらしいあたしを厭わず、朱羽が微笑みながら愛おしそうに見つめられてくれていることに、さらに興奮して。

 だが、見つめられているのは鏡から。こんなに近くにいるのに距離がある気がして、あたしは朱羽に訴えた。

「こっちがいい……」

「……っ」

「こっちの朱羽が、好きっ」

「陽菜……」

「朱羽……っ」

 虚像ではない朱羽に、愛おしさがぶわっと溢れる。

「あなたが好きっ」

 ぎゅっと苦しそうな顔をすると、朱羽は蜜壷に指を抜き差ししながら、あたしの身体の位置を変え、横抱きにする。

 角度が変わった朱羽の指は、あたしの身体をさらに昂ぶらせる。

「……陽菜、可愛くてたまらない……」

 朱羽が斜めから身体を倒すようにして、あたしの唇に口づけた。

 あたしは朱羽の首に両手を回して、その深く情熱的なキスに応えながら、朱羽への愛を口にして、泣きながら果てに上っていく。

「イッておいで」

 優しげに微笑んだ朱羽を合図に、一気に上り詰める。

 いつも以上の奔流に身を任せ、性急に甘くて強い刺激が全身を駆け抜けた。

「朱羽、朱羽、あああ、朱羽――っ」

 朱羽に泣きながら我武者羅にキスをして、彼の腕の中で大きくびくびくっと身体を震わせた。
 
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