この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
 

「お香のいい匂いがして、背筋は曲がってないよ。あたし、皆が70歳とは言ってたけれど、もっと若い気もするんだ。美幸夫人の噂がたたないように動いているみたい。……やっぱり知り合いだったんだ、皆知らないよきっと。怖がってたし」

 朱羽は目を細めた。

「そのほかに何か聞いたか?」

 当主があたしを見る。 

 その眼差しに、どことなく怯懦(きょうだ)の色が混ざっている気がした。そしてそれに、皆も気づいた。

「なにも聞いてません。美幸夫人を理解するために、彼女の話を聞くことが出来ません。箝口令が出ているらしくて。それならば、やはり直にお話をお伺いしたいと思います。彼女の部屋に行ってもよろしいですか?」

「……陽菜さんの結論で、朱羽と渉は……」

「それを考えずに、ベストを尽くします。結果を気にしていたら、いつまでたっても理解が出来ません。あたしにはまず、美幸夫人の情報が足りなさすぎます。箝口令はどうしたら解けますか?」

 箝口令とは呪いのこと。

 呪いを解くためににはどうすればいい?


「それは美幸自身が解かねばならぬ。こればかりは、ワシの力が及ばぬ。ワシはなにも言えぬ。そしてその箝口令は呪いとなり、屋敷を覆っておる」

 "呪い"

「それは、破戒無慙(はかいむざん)の報い……だ」

 なにやら重い言葉に、場は静まり返った。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ