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いじっぱりなシークレットムーン
第13章 Final Moon
 

 ただメイドだからか、化粧はされていないが綺麗だ。

 だったら美幸夫人だって綺麗な顔立ちをしているよね。


「美幸。もうわかっているんでしょう? もうタイムリミットよ」」

「違う、違う――っ!!」


 美幸夫人と相似した、くっきりと整った顔をしているシゲさんが、声をかけながら、隣室に歩いていく。

 まさかあのシゲさんが、こんな綺麗な顔をした美幸夫人の姉だったなんて。あたしは言葉も出ずに朱羽を見ると、唖然としている専務や沙紀さんとは違い、朱羽だけは動揺もしないで厳しい目で見ている。


「美幸、私……覚悟を決めなさいって話していたでしょう。美幸は今までしたことについてツケを払わなきゃ」

「なんで私が! 悪いのはあいつらじゃないっ!! 私を、この私を!!」

「美幸!」

「嫌よ、見せたくないっ!! やめてよっ!!」
 
 彼女がどんな嫌がっても、話をしない限りはあたし達も終わらない。具合悪いのなら、救急車でも呼べばいい。

 あたしは足を踏み出した。


 そして隣室の前で座って、床に手をついて頭を下げる。


「美幸夫人。お願いです、お話をさせて下さい」

「嫌よ、出ていって、出ていけっ!!」

「具合悪いならお医者さんをお呼びします。もしお化粧をしたいのなら、お化粧の間待たせて下さい」


「うるさい、黙れ、黙れ、黙れ――っ!!」



 半狂乱の声。


「ここから出ていけ――っ!! 出ていくのだ――っ!!」


 薄暗い空間から、ものが飛んで来る。

 当たる!!

 見えずに勘だけでそう思い、思わず目を瞑ったあたしだが、鈍い音がしたものの、あたしの顔に命中するものはなかった。

 朱羽が、あたしを庇うようにして、背中に受けていたのだった。

「朱羽!! 大丈夫? どこぶつけた?」

「大丈夫だ。俺は全然平気。あなたは?」

「あたしは大丈夫。でも朱羽が……」


「渉さん!!」

 その時、朱羽が専務を呼んだ。

「壁の照明をつけて下さい」


「あ、あ?」


「やめろ、点けるなっ!!」


「早く!!」


 パチッ。


 急に明度が戻った室内で、しばし暗さに慣れていた目がチカチカした。

 そして。


「え……」


 シゲさんの横に居た女性。

 それは――。

 
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