この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第14章 Secret Moon
 
 

 沙紀さんなら使用人と対立しないで、迎合出来る道を築いていける。

 恐れもせず怖がらせもせず、湧き上がる笑声こそが、美幸さんに出来なかったもの。

 完璧さなんてなくてもいいんだ、ひととの関係に必要なのは真心なのだから。

 ……少しずつ変わりゆくものを美幸さんが見たら、なんというだろう。

 厳しい面持ちをもっと厳格にさせて、怒るだろうか。

 そう思ったら、なんだか切なくなった。


「陽菜。今日あたりもうそろそろ会社に戻ろうと思うんだ。結構休んでしまったし、これ以上は甘えたくないからね。こんなにハイペースで勉強したのは、大学以来かもしれない」

 あたしが廊下の雑巾がけをしていたら、その横に朱羽が屈み込んでそう言った。


「……そうか、早く皆に会おうとして頑張っていたんだね」

 よしよしと頭を撫でてあげると、こつんとあたしの肩に寄りかかってくる。ひさびさの朱羽の温もりが愛おしくて、その頭の上に頬を寄せてしまう。

「……皆には連絡してくれた?」

「LINEで衣里や結城だけではなく、会長とか皆にも伝えたよ。朱羽はやったって。あたし達が望んでいた形を頑張ろうとしてくれているって」

「そっか……」

 朱羽は口元を綻ばせた。

「今日帰るなら、連絡しておく?」

「……いや、驚かせてやりたい」

 悪戯っ子のように朱羽は目を輝かせた。


 今頃皆なにをしているだろう。

 忍月コーポレーションの副社長は、既に解雇処分となりどこにいるのかわからない。

 シークレットムーンを痛めつける者は、いなくなったのだ。

 あとは、浮上すればいいだけ――。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ