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いじっぱりなシークレットムーン
第4章 Secret Crush Moon

「か、課長っ、結城怒ってませんか!?」
「あれ、おかしいな。もう一度文字送ってみます」
すると――。
「真下っ、外回る!! ぐずぐずすんな!!」
「え、は!? 結城、なに急に……真下と結城、外回ってきます! 仕事中、うるさくしちゃってごめんなさい!!」
……確かにあっちの猛獣は居なくなったけれど、これはなだめたというより――。
「……課長、それ見せて下さい」
「はいどうぞ」
LINEの続きにはこう書かれていた。
"本日、彼女の拉致は私がして、ホテルに連れます"
「な!?」
"怒ってここまで来ますか? だったらどうぞ、迷惑するのは彼女です。私は彼女を守る恋人の立場にいますし、彼女の上司です。あなたは?"
「なに書いているんですか!? ちょ……」
課長は言った。
「あのひとの牽制に、今は私が応えるターンですので」
「タ、ターン!?」
「……そう、味わって貰います。牽制された気分を」
課長の顔は、悪人のように残虐に歪んでいた。

