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いじっぱりなシークレットムーン
第14章 Secret Moon
 

 零れた涙を朱羽は舌で掬い取り、筋を作った頬に唇をあてる。
 そんなに優しい仕草なのに、あたしの中に出入りする朱羽は獰猛で。
 
 下からしがみつくようにして抱きつき、挿っては引こうとする朱羽の腰に、両足でクロスするように強く絡めさせる。

「こ……ら。そういうことされると、俺我慢出来なくなる。どこもかしこも締め付けて、俺ひとりイカせたいの?」

「一緒がいい。ふたり一緒がいい」

 ぎゅうっとさらに足で朱羽の腰を締め付け、朱羽を根元まで咥え込んで、恥骨同士を密着させると、朱羽の動きが止まった。

「……やばい。こんなに締め付けられたまま、今無理に動いたら、本気でやばい。それじゃなくても、ぎりぎりまで我慢してるのに……」

 朱羽は細く長い息を落としながら、あたしの身体をぎゅっと抱きしめ、あたしの中で動きを止めた。

 イキそうなのにイケなくなってもどかしい。

 だけど、こうして身体の内外密着しているのも、幸せだ。

「陽菜。ちょっと休憩、しようか……」

 朱羽の荒い息から声が聞こえた。

「あなたの身体、触ると気持ちいいんだ。肌も俺に吸い付いてくる」

 汗で濡れた乳房を持ち上げるようにして、朱羽が尖りを口に含んだ。

「ここが美味しい」

 朱羽が赤子のように、あたしの胸に強く吸い付いては、尖りをちろちろと舌で揺らして、また吸い付いてくる。

「ああああ……っ」

 果てに向かっていた身体は敏感に反応し、びくっびくっと都度身体が、痙攣したように震えてしまう。

 あたしの中で芯を持って熱く息づく、朱羽が愛おしくてたまらない。

 大きくなる度に、その息苦しさと恍惚感に、ため息が出てくる。

「はぁ……。ゴム、陽菜の熱に溶けちゃいそ……」

 あたしの濡れた前髪を掻き上げ、ちゅっと額に唇を落としてから笑った。

「いいよ……、そのまま感じたい。朱羽の直の熱と堅さがどれくらいか、あたしの中に教えて? 排卵期だから、大丈夫だから。直接欲しい」

 朱羽の瞳が揺れたが、苦しげに目を瞑って開いてみせた瞳は、確固たる意志が見えた。

「……結婚、きちんとしてからね」
 
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