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第14章 Secret Moon

　

　耐えきれなく唇を離すと、愛おしそうに見つめる朱羽の眼差しに身体の細胞を歓喜にざめかせながら、掠れた声で叫ぶ。

「んんっ、ぅんんっ、しゅ……うっ、変になるっ、狂っちゃう、激しい、激しいよっ」

「いいよ、俺に狂って。俺が、いないとっ、感じない……身体になって？」

「なってる、もうなってる！」

　朱羽の両手があたしの手を握り、指を絡めた。

「陽菜、……ああ、俺が溺れる、女の顔だ。たまらないっ」

「朱羽、あああっ、それ駄目ぇぇっ」

　朱羽に身体を凭れさせて、結合部分からもたらされる目まぐるしい快感の波に悲鳴を上げる。

　朱羽はあたしの顔を見ながら、濡れた舌を出した。

「舌、頂戴。いやらしく、絡めよう？」

　揺らされながら、おずおずと舌を出す。

　上下に動く拍子に舌と舌が擦れ合って、結合部がカッと熱くなる。

　朱羽が頬を合わせてきて、顔が固定されたまま、舌だけがくねくねと動き視界の中で絡み合うと、蜜壷がきゅんきゅんと震えてそこからの刺激を強めた。

「もっと感じて……俺に」


　獰猛なもので奥まで貫かれる蜜壷。

　繋がる舌と手は、果てを感じて強張っていく。


「朱羽、あたし……あたし……っ」

　上り詰めるあたしを、眩しいものでも見ているような顔で朱羽が見ている。

「朱羽……っ」

　あたしは朱羽の指が反り返ってしまうほど、朱羽の手をぎゅっと掴んで、やがてくる果てに向かう。


　……朱羽の目から視線が外せない。

　熱を孕んだ茶色い瞳が、あたしを見てる。


　朱羽が乱れるあたしを見ている――。