この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第14章 Secret Moon
 

 ***


 斎藤工務店が手がけてくれた、やじまホテルの菱形タブレットが予想より早く出来上がった。

 丁度東京出張に来ていた矢島社長と連絡がついて、シークレットムーンまで、矢島社長が足を伸ばしてくれた。

 二階、応接室に案内し、あたしと朱羽が工場から持ってきたばかりのタブレットを矢島社長に見せる。

 メールでやりとりした上で工場へ足を運んで、色々と細やかなことを注文つけてしまったのだが、斎藤社長は文句ひとつ言わずに、作ってくれた……あたしにとっても自信作でもある。

 どういう技術の随を懲らせば、こうした菱形の液晶部が出来るのかよくわからないけれど、かなりスタイリッシュで、一見タブレットだということがわからない。

「本当に使える! すごいわ、うちだけよね、この形。素敵!」

「はい。やじまホテルだけです」

 そうあたしが説明している横で、朱羽がノート型パソコンに、人差し指ほどの長さの指紋認証リーダをUSBで接続、専用ソフトを立ち上げ矢島社長の指紋を認識させた。

「全員分の指紋を読み取り保存し、全体を制御するサーバーと指紋認証するためのパソコンが一台ずつ必要です。こちらで用意してもいいですか?」

 朱羽が指紋データをパソコンで操作しながら尋ねる。

「ええ、お願い。全国飛び回ってなければ、サーバーくらい組み立てれたんだけれど、面倒なことはあなた達に丸投げしちゃうわ」

「矢島社長、サーバー組み立てられるんですか!?」

 勿論あたしは、ちんぷんかんぷんだ。

 デスクトップ型のパソコンのHDD増設ですら、ケースを外すのにひと苦労で、どこに接続してどうすれば使えるようになるのかわからず、今までは結城に全部お願いしていた。

「ええ。若い時、どうすれば機械が動くのか興味があって。パソコンが組み立てられると知った時は感動したわ。中途半端なマニアックなだけで、プログラムの理論とかはわかるけれど、あなた達のように文字列を見ただけで、なにが書かれているのか機械語はわからない」

「はぁ……理論がわかっているだけで凄いです。あたしはプログラムとか機械の内部について、よくわかりませんので。あ、彼はそういうことに強いので、なにかあればお役にたてるかと」

 朱羽は画面から目を上げ、矢島社長にぺこりと頭を下げた。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ