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いじっぱりなシークレットムーン
第14章 Secret Moon
 

「管理しているサーバーとパソコンを連動させます。従業員管理は、そちらで自由に行えます。パソコンにだけある従業員一覧のボタンを押して、指紋認証の危機を取り付けて指紋認証の設定を終えれば、自動的に番号が振られます。その番号を割り当てたPHSを持たせて下さい。PHSからも設定は出来ますが、面倒だと思いますので、あらかじめ設定してシールを貼っておきます」

「ありがとう」

「これだけで館内、全PHSから追加者の連絡が可能となります。従業員削除は、追加ではなくこの削除ボタンを押して、削除したい従業員をリストから選び、確認画面に『はい』を押すと、抹消されます。また、これはオンラインアプリで動かしているので、機能の追加や削除に関しては、うちがいたします。シークレットムーンに居ながら、反映される設計です。いわゆる自動アップデートです」

「もしも規模を拡大したら、そうした機能追加とかも全部にしないといけないの?」

「各建物にサーバーを入れさせて貰いますが、そのサーバー同士をネットではなくIP上に構築される専用線網で繋げる、IP-VPN(仮想プライベートネットワーク)を構築しますので、一度で出来ます」

「IPのVPN……ね」

「はい。インターネットVPNは、使う人数によって速度が遅くなるという点、VPNに関しての機器の導入・管理をユーザ側で行う必要がある点、セキュリティの問題の点から、導入が容易なIP-VANにします」

「OKよ。それでネットワークを統括できるとして、機能をそれぞれのホテルで変えたいとなったのなら?」

「勿論、個別に対応します。ご安心を」

「わかったわ」

 ……月代会長が、矢島社長はマニアックな質問をしてくると言っていたのを思い出す。朱羽は彼女が望むものを簡潔に述べれるだけの知識量があるのだろう。

 ……あたしなら、しどろもどろだ。
 
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