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いじっぱりなシークレットムーン
第14章 Secret Moon
ムーン――。
懐かしき前身を知る社員は、いまや経理の山本さんとあたし達同期だけになってしまった。
あと残っているのは皆、シークレットムーンになってから雇用された社員で、中途採用されたのは、杏奈と営業数人で、あとは木島くんと同じ二年目か、その下の新人ということになる(年が近いから木島くんはすんなりまとめていられる)。
ただ月代会長が、シークレットムーンの社長として雇用するのには、忍月コーポレーションとの兼ね合いがあったために、千絵ちゃんや杏奈のような特殊枠以外、正式なエントリーをして応募してきた子達のうち、あたしみたいにITど素人をイチから教える……というよりは、ある程度パソコンが出来ることを最低基準として、大学で専攻したとか専門学校に行っていたとか、即戦力がある子は積極的に選んでいたらしい。
WEB部に配属されて辞めた子は、パソコンが出来る程度の子で、やはり実戦経験がないために、短期間できちんと作らないといけない仕事には、ちゃんと勉強をしてうちに来た、木島くんらに頼ってしまうことが多かった。
少しずつ教えていたとはいえ、それでも結婚のための腰掛けのように考えられていたのなら、きちんと管理しなかったあたしの責任だ。
だが幸いにも、現存する社員は下地がある子だけがWEB部に残っているから、営業がたくさん仕事とってきても、手分けして仕事が出来る体制になれる。
だがプログラム開発部は杏奈しかいない。
WEB部のシステム開発課や朱羽がいるけれども、やはりシステム開発はマニアックなプログラムは組めないのだ。だからWEB部に組み込まれている。