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いじっぱりなシークレットムーン
第14章 Secret Moon
 

「あ、でも贈り物だから、色がついていても……」

「それでもお客様がお好きな石を選んでお渡しになると、石は喜んでその力を発揮してくれます。だから白黒にしましょう」

 そう言って女性はカウンターの奥の棚から、沢山の引き出しを持ってきて、透明な円柱のケースに入っている白と黒の石をあたしの目の前に置いていく。

 ……たかが白と黒と思ったけれど、すべて違う種類でこんなにたくさんあるらしい。

「凄いですね、正直こんなにあるとは思わなかったです」

「でしょう? 石が半透明とか光るものとか色々なものがあります。どんな白い石が気になりますか?」

 それは青白い光を放つ、半透明の白い石だった。

「それは、ロイヤルブルームーンストーンといいます。このぼんやりと光る、シラーと言われているものが銀色に光っているのがムーンストーン、青く光るのがブルームーンストーン。その中でも透明感あるこれが、ロイヤルブルームーンストーンと言います」

 ……ロイヤル! ムーン!

「こちらは愛情の石。クリエイティブなお仕事、直感力を必要とする職業にもよろしいです」

 おお、まさしくシークレットムーンじゃないか。

 誰もが愛情欲しいよな。

「これでキーホルダーを……」

「黒い石はどうなされますか? 小さいものでも白い石の間にいれれば、引き締まるかと思います」

「は、はい……」

 まあ40%引きだものね。  

「黒と言っても、こちらのように墨で塗られたような黒もありますし、こちらはシルバー系。こちらは濃い青が混ざった系、こちらは……」

 それはロイヤルブルームーンストーンのように、黒にぼぅっと青色が浮き出ている石。

「これは?」

「これは、ブラックラブラドライトといいます。シラーが綺麗ですよね。こちらは邪気を祓い、困難に打ち勝つ力という意味があります」

 ……おお、会社の危機を救ってくれるか、ブラックラブ!
 
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