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いじっぱりなシークレットムーン
第14章 Secret Moon
「えー、なんとも厄介極まりない兄妹のせいで、いい迷惑を被りましたが、それでもそこは皆さんのご協力と一致団結により、なんとか危機を乗り切り、シークレットムーンはスーパーシークレットムーンとなって、前以上に規模を広げることが出来ました」
「スーパーシークレットムーン? だっさ」
「うるせぇな真下。えー、ほら言うこと忘れちまったじゃねぇかよ。あー、規模を広げることが出来、まさしく災い転じて福となすというもの。そしてシークレットムーンは進化し続けます。なんといっても、俺のダチの香月と鹿沼がまたシークレットムーンにいてくれるんだからな、鬼に金棒、これででかくならないはずねぇだろ、皆!!」
「「そうだ、そうだ!!」」
忍月のご当主は、不愉快な表情ではなく、愉快そうな面差しで、ちょっと照れているらしい朱羽を優しく見つめている。
「それに、渉社長が忍月コーポレーションと忍月財閥の当主になってくれるのなら、そっちも安泰だ!! そして俺は、さらに次代の当主である香月を扱き使える!! こんなすごいことはねぇー!」
「「ブーブー」」
皆は親指を下に下げてブーイング。
どっと笑いが湧く。
「矢島社長は、きーーっと全国のホテルで俺達のシステムを使ってくれるような、寛大で目が肥えている、聡明で美しい女性だし!」
「ほほほほ。褒めたってなにも出ないわよ?」
「ヤジマ。まんざらでもない顔をしてるわよ」
「名取川さんは筆頭株主で、鹿沼の母親だから、俺らが困った時にまたアドバイスしてくれるありがたい神様のようなお人だし」
「ふふふふ、可愛がってあげるわよ」
「文乃。目が怖いわよ」
「ご当主も、気さくでいいじぃちゃんになったし」
じぃちゃん扱いされた当主は、ごほっと咳をした。
「渉社長と沙紀さんの結婚には、俺ら全員呼んで下さいっ!」
「おー! 芸能人規模の結婚式だ。祝い金はずめよ?」
「えー、鬼ーっ! だだでしょう、そこは!」
「駄目よ、結城くん。タダだと渉に後で凄い仕返しされるから」
「うわっ!当主になるのにせこっ!」
「なんとでもいえ」
またどっと笑いが起こる。