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いじっぱりなシークレットムーン
第14章 Secret Moon
「それと、シークレットムーンのことだけではなく、今回香月をシークレットムーンに勤めさせるために、多大なるご協力を頂きましたこと、ここに深く感謝します。俺達にとって、香月は必要不可欠な存在。香月あって、シークレットムーンの未来が明るいものだと言えます」
「結城さん……」
「そして月代会長。ムーンを作ってくれてありがとうございます。俺達、本当に素晴らしい仲間と、素晴らしい協力者に恵まれ、鍛えられて強くなれました。絶対、会長のムーンは潰させません。絶対大きくなるんだから……それまで病気治せよ、親父!!」
「はは……。そうだな、うん。頑張るよ」
上体を起こしながら病室から見ていた会長が、嬉しそうに笑った。
「では、長々と喋ってしまいましたが、メリークリスマス!」
結城がコップに入れたジュースを上に持ち上げた。
「「メリークリスマス!!」」
並べた机の上には、凄まじいご馳走の数。
なんでも名取川文乃とご当主が、張り合うように絶品料理を用意したのと、本家からひとまず帰った沙紀さんのケーキ、あたしの揚げ料理、朱羽のたくさんのターキー、そしてお菓子もたくさんで。
和気藹々とご馳走を頂く。
会長はまだ食べれないから、見せびらかすだけだ。
「カワウソ~、食事もってここまで泳いでこい~。お前は愛と幸せのカワウソだろ~?」
「無理です、会長。あたしは人間ですから」
「いつ人間になったんだよ~」
こんなやりとりも、ムーン時代から続いているのが嬉しい。
何度か看護師さんが来たけれど、やはり抑える担当だと心得ているのか、名取川文乃は不平を言うどころか自ら立ち上がって説得に行く。
「さすがは文乃。文乃は昔から、説得係だったわよね。先生によく頼まれて、不良も更生させて」
「昔の話よ」
いやいや、現在進行形です。