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いじっぱりなシークレットムーン
第14章 Secret Moon
「開けて」
「ちょ、朱羽……っ」
「俺が勝手にあなたが来年の誕生日だと思い込んでいた。わかっていれば、用意していた。開けて」
白いリボンをほどく。
箱を開けて出てきたのは――色つき石の指輪。
「それはあなたの誕生石のタンザナイト。ここのは銀座で、幸せになれる指輪として注目されているブランドだって、ニュースで見たから、絶対ここのを買いたいと思ってた。これを婚約指輪として……」
朱羽はあたしの手を握った。
「来年、俺の誕生日に結婚して下さい」
「朱羽……家……」
口約束が形になる――。
「来年の誕生日までに環境を整えてきちんと結婚出来るようにする。だからそれまで……、婚約して下さい」
あたしの唇が震える。
「来年、ダイヤを贈るから」