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いじっぱりなシークレットムーン
第4章 Secret Crush Moon
 


「そんなもの必要ないだろう、渉さん!!」

「必要あるないを判断するのはカバだ。どうせこのカバは他の女達みたいに俺には媚びねぇし、連絡があるとすればお前のことだろ? な、カバ」

「……そうですね。悪いですけど専務に全く興味がありませんので、課長の素行で困った場合には、ご連絡致します」


 にやりと笑い合う。

 いいものを貰った。エロ課長で困ったら、告げ口しちゃおう。


「鹿沼主任!! 素行ってなんですか!!」

 慌ててる、慌ててる、こんなところ、可愛いと思う。

「くくく……なんだ朱羽。素行に問題ありなんて、カバにセクハラしてるのか? 長期戦じゃなくて短期戦に切り替えたのか」

「なんですかそれ? 長期戦? 短期戦?」

「鹿沼さんには関係ない話です!! ほら、もう行って下さい、渉さん。このひとに手を出さないで下さいよ!? 本当に渉さんは女に見境ないから!」

「まあ、お前ほどではねぇだろ」

「いつの話をしてるんですか! 沙紀さんに携番渡したこと、言いつけますよ!?」

「あ~怖っ。じゃあ行くわ、またなカバ!」

「またはないです、早く行って下さい!! ……ふぅっ」

「……ねぇ課長」


 疲れ切って、机の上に伏せている隣の彼に声をかけてみた。

 気怠そうな目が向けられる。


「どれくらいの女のひと、食べちゃったんですか?」

「!!!」

 少し焦ったように課長の目が泳ぐ。
 
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