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いじっぱりなシークレットムーン
第4章 Secret Crush Moon

「本気にそんなことしてたんですか!? 今も!?」
「昔の話です!! 仕方がないでしょう、あなたが」
「あたし?」
「あなただってそうでしょう、結城さんだけではないくせに。しかも結城さんとは恋愛関係でもないんでしょう?」
返事に詰まっていると、課長は机に寝たまま苛ついたようにあたしの手を取り、側頭で押し潰すかのようにしてちょっと顔を動かし――あたしの手のひらに唇を押しつけた。
「な!!」
熱くて柔らかい感触が伝わって、手が麻痺したように動かない。
課長はあたしの手首を掴み、あたしを挑発的な眼差しで睨み付けるようにして、そのまま伸ばした舌を手のひらに這わせた。まるで猫のように。
くらくらする――。
「ん……」
思わず甘い声が漏れてしまうと、課長の目がきらりと光り、今度は優しげに目が細められた。
そして立ち上がる。
「もう昼は終わりです。会社に帰りましょう」
皆が香月課長の美貌に見惚れるその中を、彼はあたしと手を繋いだまま悠然と歩いた。
……なぜか、熱いその手を振り解くことができず。
――セックスしましょう。
課長の声が、頭から消えなかった。

