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いじっぱりなシークレットムーン
第4章 Secret Crush Moon
 


「壊す?」

「ああ。お前との秘密の約束も関係もぶち壊して、表に出る。知ってるか、陽菜」


 あたしを呼び捨てにした結城は言った。


「秘密という意味の"Secret"、壊すという意味の"Crash"。ふたつが合わさった意味を」

「知らない」

「じゃあ調べろ。そして、それが俺の――」


 そう言った時だった。


 突然周りの光が消えたのは。

 そしてざわめく声が聞こえてくる。


「停電!?」


 あたしは慌てて休憩室から出た。

 情報を機械で管理しているIT会社にとって停電は命取りになることがある。瞬電ですら多くの情報が漏洩したり死んでしまうこともありえるのだ。

 ここには、他企業のネットを仲介するプロバイダとしてのサーバーや、WEBデータを置いたサーバなど多種のものがあるから、これらが機能しなくなれば、この間にまた他企業にとっても利益損害が出る可能性もある。

 もうあんな損害賠償問題にはしたくない。


 今回の停電は長いようで、車内を見渡す限りは復旧の兆しは見えない。

 窓を見ると、外は薄闇だが晴れており、落雷による被害でもなさそうだ。だとしたら、このビル全体の停電なのかもしれない。


「UPS(無停電電源装置)大丈夫か!?」

 結城とサーバ室に駆け込んで聞くと、杏奈が既に中に居てキーボードをカタカタと弄って、白黒の画面を見ていた。

 よかった。

 UPSから電力を供給して、サーバーは動いている。

 だったら他のも大丈夫だ。


「よかった。大事にならずにすんだ」

「……鹿沼ちゃん、UPSは起動しているけれど、なんかウイルス攻撃っぽい。それで電力に異常に負荷かかって飛んだような気がする。UPSがバッテリーから電源を供給していても、サーバーがダウンするのは、時間の問題となるかも」


 杏奈の口調が、いつになくまともで堅い。

 よほどの事態だということは想像出来た。


「ウイルス攻撃?」

「うん。このウイルス、……いやウイルスじゃないね、自己増殖型のワームで、うちのサーバーのシステム領域の空き容量に増え続けるから、このままだとサーバが壊れちゃう。あ、LANは切ったから、ネットやネットワークサーバはつなげれないよ」
 
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