この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第4章 Secret Crush Moon
 

『え、朱羽くん行方不明なの?』

「はい。結構熱出していたので、倒れてないか確認したいんです。だから……」

『ちょっと待って。番号、覚えれる?』

「はい、お願いします」


 あたしはスマホから流れてきた番号を、ボールペンで左手の甲に書いた。
 

「ありがとうございます。お邪魔してしまってすみません。では」

『ねぇ、あなたもしかしてヒナ?』

「え、はい鹿沼陽菜ですけれど」

『そうか、そうか。だったら朱羽くんのことお願いね。あ、私はね、沙紀。吾川沙紀って言うの。今度会いましょう』

「はい、沙紀さん。その時はまた」

 ……なんであたしが、専務と寝ているひとと会うんだ?

 なに、専務があたしと浮気をしているの、まだお疑いとか?

 その割には明るく綺麗な声で電話が切れた。


「あ、専務にお礼言ってないけど、まあいいや」

 香月課長の電話番号を知っているのだから、よほど課長とも専務とも親しい間柄なんだろう。専務の婚約者とかかしら。

「どうでもいいや。興味ないし。それより電話電話」

 呼び出し音が聞こえるが、応答がない。

 電話をかけ続けながら、あたしは課長を探して歩く。

 やがて――。


『……はい』


 ほとんどため息のような声が聞こえた。


「香月課長ですか!?」

『……はい』

「……っ」

 いかんいかん、このため息のような声は喘ぎではない。

 だるそうな声だ。


「家ですか!?」

「……い…いえ」


 やはり課長は家に帰ってない。


 まるでYES・NOゲームをしているようだ。

 だったら、それ以外の答え方をさせてやろうじゃないか。


「そこはどこですか!?」

「……さあ」


 そう来たか。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ