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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
貧血になりそうなほどにくらりとした頭を抑えて、慌てていそいそと服を手で整えて言った。
「すみません、病人にこんな腕枕をさせて。起きます……わっ!」
握っている手を離して起き上がろうとしたら、手が離れるどころかそのまま引き寄せられ、あたしの頭は課長の肩の上。
しかもきゅっと手と身体で挟むようにあたしを抱きしめてくるから、逃げ場失ったあたしは、朝から課長の身体の熱と匂いを思い切り感じて、死にそうになった。
今気づいたあたしもなんだけれど、服着ろよ、服!!
下は着ているのかちらりと確かめてしまったあたしは変態なのだろうか。いや、違うよね、一緒のベッドで寝てお触りされてしまった女の子なら、気になるよね。
「課長、服着ましょう、服!!」
ぺしぺしと背中を叩いてみたら、気乗りしなさそうな課長の声。
「ああ……。あっちで夜なにも着てなかったから、その癖が……」
OH! なんて刺激的なアメリカ生活。
その時下も裸だったのか聞いてみたくなるあたしは、朝から課長のフェロモン攻めを受けた結果で、脳がピンクの液状に蕩けている結果に違いない。
「あのさ……、その丁寧語やめ」
至近距離であたしの顔を覗き込んでそこまで言った課長が、突然反対側にばっと顔を背けた。
「!!!」
あたしの顔がそこまで酷かったのかと内心ガーンとショックを受け、ごめんなさいと謝ると、課長は顔を背けたまま言いにくそうに言う。
「いや、その……」
「言わなくてもいいです。わかってますから」
あたしは涙目だ。
「え、わかってるのか!?」
逆に課長が驚いた顔をして、あたしを見る。