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いじっぱりなシークレットムーン
第5章 Crazy Moon
 


「やっ、あぁぁぁっ」


 潤みきっているところに、ごりごりとした彼のが前後して、あたしは詰まっていた息を甘い声と共に漏らし、彼の首に手を回して抱きついた。

 この刺激に耐えられない。

 そう訴えているのに、彼はあたしの腰を揺さぶり続ける。


「駄目、これは洗浄じゃ……ないっ、んぅぅぅっ、あああっ」


「……セックスじゃないよ? ただ洗浄しているだけだ。ほら、よく洗わないと」

「く……っ、そこ駄目、挿っちゃう!! あああ、それ駄目ぇぇぇ」

「挿れてないよ、ただの洗浄だろう? なんでそんなに気持ちよさそうな顔をして喘いでいるのさ? ねぇ、感じてるの?」

「……っ、感じてなんか……っ」

「そう? だったらよく洗おうね」

「――っ!!」

 泡で滑る腰を、彼は止めてくれない。

 気持ちよさが突き抜け、涙が出てくる。

 泡だらけの浴槽で、彼とあたしの動きがよく見えないだけに、与えられる刺激に五感が集中して、感じ方が半端じゃない。

 まるで満月の時のように、全力で果てに駆け上ってしまう。

「やだ、やだ、イッちゃう。こんな泡の中でやだ、止めて、ねぇっ!!」

 その瞬間。彼の手がパネルを押すと泡だらけの湯が沈み、同時にまた頭上から温かいシャワーが降り注いだ。

 泡が溶けて、あたしが課長の上に跨がってなにをしていたかが、露わになる。


「いい眺め」


 土砂降りのようなシャワーに打たれて、泡がなくなった身体に、濡れた黒髪がさらに色気を出している課長の視線が注がれている。

 
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